災害発生時における防疫活動の協力に関する協定を複数の地方自治体結んでいる愛知県ペストコントロール協会は昨年45周年を迎えた。日頃より人間の生活に害や不快感をもたらすハチやネズミなどの生物やカビなどの微生物に対する予防、防除、駆除などを行い、近年は行政との連携を一段と深めている。本日6月4日は「ムシの日」にあたる。今回は行政側と協会の代表者にお集まりいただき、業界の現状や課題などについて語っていただいた。
―まず、協会の紹介をお願いします。

当協会
会長 川瀬 充

川瀬 私どもは有害生物の管理・防除を行う団体で、2年前に公益社団法人格を取得しました。3月末現在の会員数は62社。ネズミ衛生害虫防除、鳥インフルエンザ発生時の車両消毒、自然災害後の防疫活動等を行っています。昨年は設立45周年を迎え、記念事業としてマダニの生息調査、次世代を担う若手の会「青虫会」の発足、6月4日(ムシの日)の虫供養を行いました。

宮田 マダニの生息調査は、県内24カ所の公園で毎月1回、5か月間調査を行った結果、8カ所で捕獲されました。詳しい内容は6月中に調査報告書としてまとめる予定です。
 「青虫会」は、次世代を担う若手の育成を目的とした20~30代中心の会です。会長、副会長を含め8人の幹事で構成され、私が会長を務めています。セミナーを開催するなど、この1年間「青虫会」の知名度を高めてきました。新年度からは予算が付き女子部会も発足予定です。自信と誇りを持って仕事に取り組む若者の姿をどんどんアピールしていきたいと考えています。

―行政への相談件数を教えてください。

愛知県健康福祉部健康医療局生活衛生課
課長補佐(環境衛生グループ班長)
長尾 治 氏

長尾(課長補佐) 平成25年度の衛生害虫に関する相談件数は265件(24年度222件)で、ダニに関する相談は61件で、24年度(37件)に比べてかなり増加しました。ダニアレルゲン等の調査を行ったものは10件となっています。セアカゴケグモについての相談件数は、空港を所管している保健所以外でも報告されていると聞いております。

長尾(係長) 平成25年度の衛生害虫に関する相談件数は4004件で、24年度(5281件)に比べてかなり減少しています。これはハチの相談件数が2238件と、前年度に比べて1000件ほど減ったためです。理由は分からないのですが、アシナガバチの相談が1468件から767件と半減しています。特筆すべきところではゴケグモの相談が増えており、202件と24年度(108件)のほぼ倍となっています。発見された区は3区増えて10区となり、市内全域に広がっています。
 マダニの相談件数は、24年度が19件、25年度は33件でした。昨年度は6地点で生息調査を行いましたが、ほとんど捕獲されませんでした。試行的にその一部でSFTSウイルス保有状況検査を行ったところ、結果は陰性でした。今年度は4地点で生息状況調査とウイルス保有状況検査を行う予定です。

―協会への相談内容は。

当協会
広報委員 宮田 勉 氏

宮田 25年度の相談件数は全体で1122件で、前年度(1145件)と比較するとほぼ横ばいです。相談内容の主なものはハチですが、相談件数は例年に比べて減っています。

―IPM(総合的有害生物管理)に対する取り組みについて。

川瀬 私どもは愛知県、名古屋市と一緒にIPMの普及を進めていますが、実は行政と地元のペストコントロール協会がIPMの定期的会合を持っているのは愛知県だけなんです。

長尾(課長補佐) 愛知県ペストコントロール協会さんをはじめとした業界6団体と、愛知県、名古屋市、3中核市の5つの行政機関で「愛知県IPM推進会議」を構成し、IPMに基づいたねずみ・昆虫等対策の推進に対する協議、普及啓発を行っています。愛知県では、県有施設における農薬・殺虫剤等薬剤適正使用ガイドラインに基づいてIPMに取り組んでいます。今年は特に食品営業施設に対するIPMの推進に力を入れています。


名古屋市健康福祉局健康部
環境薬務課環境衛生係
係長 長尾 陽子 氏

長尾(係長) 市の施設でも農薬・殺虫剤等薬剤の使用状況調査を行っています。各施設の管理者を対象にした講習会も年1回開催し、IPMの概念を徹底しているところです。また、多くの方が利用する特定建築物に対しては、IPMに基づく防除を実施しているか、毎年立入検査等で確認し指導しています。

―今後の活動は。

川瀬 来年2月に官・民・学会が一堂に会する「ペストコントロールフォーラム」が愛知県で開催されます。日本ペストコントロール協会と日本環境衛生センター主催の全国レベルの大会です。
 昨年6月には名古屋市さんと「災害発生時における防疫活動の協力に関する協定」を締結いたしました。これからも県下の公衆衛生の向上に寄与してまいります。

―ありがとうございました。

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