昨年4月より公益社団法人となった愛知県ペストコントロール協会は今年45周年を迎える。 日頃より人間の生活に害や不快感をもたらすハチやネズミなどの生物やカビなどの微生物に対する予防、防除、駆除などを行い、近年は行政との連携を一段と深めている。 本日6月4日は「ムシの日」にあたり、今回は行政側と協会の代表者が集まり、業界の現状や課題などについて語った。
―まず、協会の紹介をお願いします。

当協会
会長 川瀬 充

川瀬 昨年、公益社団法人として認可いただき、県民の公衆衛生の向上に寄与する団体として活動しています。従来は、屋内に発生する有害生物管理が主でしたが、最近は鳥インフルエンザ発生時の車両消毒など感染症に関わる出動も多くなっています。4月1日現在の会員数は61社。設立45周年を迎える本年度は、3つの記念事業を計画しています。

宮田 その1つが、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)を媒介するマダニの生息調査です。2つ目は、次世代を担う若い経営者や技術者が活躍する場を作ろうということで、「青虫会」という会を作りました。羽化して羽ばたくように、今後の活動の原動力になればと考えています。3つ目は、6月4日の「ムシの日」に行う虫供養です。

―行政への相談概要を教えてください。

愛知県健康福祉部健康担当局生活衛生課
課長補佐(環境衛生グループ班長)
長尾 治 氏

長尾 愛知県の平成24年度の衛生害虫に関する相談件数は259件で、23年度(224件)に比べ大幅な増減は見られませんでした。このうちダニに関する相談が37件で、ダニ相やダニアレルゲンの調査を行ったものは13件となっています。
 マダニに関する相談も若干含まれていると思われますが、現在のところ正確な数は上がっておりません。県内で被害がないため、今のところマダニに関する啓発は、「野山へ行く時は肌の露出を控えて」といった一般的なことにとどまっています。

白橋 名古屋市の平成24年度の総相談件数は5281件、うちハチ類が3364件で約6割を占めています。23年度と比較して総相談件数が450件ほど増加したのは、ハチ類とセアカゴケグモを含めたゴケグモの相談件数が増えたためです。
 マダニについては、SFTSに関する情報提供の観点から、緊急に生息調査を行う予定です。

―協会への相談内容は。

名古屋市健康福祉局
健康部環境薬務課環境衛生係
係長 白橋 秀明 氏

川瀬 全国32の都道府県協会で設立され、それぞれ緊急時の防疫活動に出動しています。当協会としても現在、岡崎、知多、一宮、安城、清須の5市と自然災害後の防疫活動について協定を締結いただいています。

白橋 名古屋市におきましても、災害時の防疫活動にご協力いただくことを検討しているところです。

川瀬 協会としても真摯に受け止め、ご依頼があった時には迅速かつ適切な活動ができるような体制を整えていきたいと考えています。

―IPM(総合的有害生物管理)に対する取り組みは。

当協会
理事 宮田 正昭 氏

宮田 IPMを推進していく上で、協会員の資質の向上が欠かせません。技能師制度が発足して4年たちましたが、3年に1度の反復講習も含めてさらに研さんを行い、皆様のご期待に添えるようレベルアップを図ってまいります。

長尾 業界団体と行政機関が一体となって推進することを目的として、平成23年11月に愛知県IPM推進会議を立ち上げました。建築物の所有者・管理者やねずみ昆虫等の防除に携わる方を対象とした愛知県IPM推進講習会を、推進会議の主催で毎年開催しています。

白橋 私どもも推進会議に参加しており、IPM推進の方針は同様です。
 名古屋市の施設における農薬・殺虫剤等の使用状況調査を5年間続けており、現在、ほとんどの施設で適正に使用されていると考えています。屋内薬剤使用量も、調査当初の約半分の量に落ち着いています。名古屋市の施設においても、IPMの考え方が普及してきたと見ています。

―最後に、協会の今後の課題は。

川瀬 愛知県や名古屋市が所有する施設は、IPMの考え方が浸透していますが、民間については6割程度しか実施されていないことが県のアンケート結果で明らかになりました。残りの4割にどう浸透させていくかが今後の課題です。

―ありがとうございました。

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