―まず、協会の紹介をお願いします。

当協会
会長 川瀬 充

川瀬 私どもは公衆衛生の向上に寄与することを目的として、有害生物の管理・制御を行っています。4月1日現在の会員数は、正会員67社、賛助会員12社の計79社。毎年6月4日のムシの日から7月4日までの1カ月間を「ムシナシ月間」と定め、衛生害虫駆除に関する相談やPR活動を行っています。

―行政への相談概要を教えてください。

大嶌 平成23年度の衛生害虫に関する相談件数は244件で、22年度(248件)に比べ若干減少しています。このうち、ダニに関する相談は34件で、ダニ相の調査やダニアレルゲンレベルを測定したものは9件でした。

健康まつり等のイベントでは、パネルや生きたダニの展示のほか、幼いお子さんをお持ちのお母さんに対してダニアレルゲンの低減方法を指導するなど地道な啓発に努めています。

さらに、ダニの相談に対する保健所職員の専門性を高めるために、ダニの調査から同定に関する技術研修を衛生研究所で行っています。


名古屋市健康福祉局
健康部環境薬務課環境衛生係
係長 白橋 秀明 氏

白橋 名古屋市の23年度の総相談件数は4837件(22年度と同数)で、ハチ類は3137件(約65%)、ネズミは417件の相談がありました。セアカゴケグモは、生息調査から一部の地域には定着していると推測されます。トコジラミに関する相談件数は5件ほどですが、近年話題にもなり、関心は高まっているようです。

市内16保健所の窓口で衛生害虫に関する相談を受け付け、5~6月にゴキブリ防除、冬場にネズミ防除の講習会を行っています。

―協会への相談内容は。

森山 スズメバチに関する相談が最も多く、全体の約3分の2を占め、その他ゴキブリ、コウモリ、ネズミ、アリとさまざまです。

また特定外来生物のアライグマ、ヌートリア並びにハクビシンの相談は、愛知県だけでなく全国的に増えています。

―技能師制度が発足して3年たちました。

川瀬 3年間で資格取得者約2200人と、まずは第一歩を踏み出したのではないかと思います。いずれは公的資格を視野に入れたものにしていく考えで、PCOという仕事の社会的認知と地位の確立に向け、今後も未取得者に働きかけ全員取得を目指します。

―行政のIPM(総合的有害生物管理)に対する取り組みは。

愛知県健康福祉部健康担当局
生活衛生課環境衛生グループ
課長補佐 大嶌 雄二 氏

大嶌 県有施設における農薬・殺虫剤等薬剤適正使用ガイドラインを策定し、毎年、取り組み状況を公表していますが、平成22年度は全施設において適切に運用されています。ガイドラインの徹底のために、全担当者を対象に継続的な研修も行っており、今年度、適切に運用されている施設では、その旨をポスターとして掲示することとしています。また、一般向けにはリーフレットを配布しています。

白橋 平成22年度名古屋市の施設等における農薬・殺虫剤の使用状況調査結果によると、薬剤使用前に病害虫等の生息調査を実施した施設の割合は、屋外100%、屋内99%。 施設利用者に対する周知は、屋外の農薬、屋内の殺虫剤・殺鼠剤がともに99%、屋内のシロアリ防除剤・消毒剤は100%でした。
使用される薬剤量は年々減少傾向にあります。

今後は未実施の施設に対し周知徹底を図り、民間を含めて薬剤の適正使用を推進していきたいと思っています。

―協会は公益社団法人格を取得されました。

当協会
副会長 森山 正博

川瀬 PCOの仕事内容や知名度のアップを目的に公益社団法人化を目指してきましたが、4月1日付で移行することができました。昨年は東日本大震災にも出動しましたが、これを機にさらなる公益的な役割を果たしていきます。

森山 昨年7、8月には、ハエが大量発生した気仙沼、石巻の震災被災市で全国の協会員が消毒に当たり、愛知県協会からも18人が参加しました。今年も依頼があれば出動したいと思っています。

―行政機関と協定を結ばれていますね。

川瀬 外来生物の個体捕獲(名古屋市・一宮市・春日井市と締結)、自然災害後の防疫活動(岡崎市・知多市・一宮市と締結)、衛生動物の駆除・相談(豊田市と締結)が大きな柱です。

今後も自治体との連携強化に努めます。

―今後の活動方針は。

森山 今後は水害や鳥インフルエンザ発生等、非常時に出動できる体制づくりに力を入れていきます。
そのため自衛隊の協力の下で高機能の消毒訓練を考えております。

川瀬 IPMの理念を取り入れた有害生物管理が主流になりつつあります。 この管理法を公共施設だけでなく民間レベルまで、いかに普及させるかが課題になってくるでしょう。

さらにステップアップしていきたいと考えています。

―ありがとうございました。

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